タオルと柔軟剤について
タオルの洗濯、柔軟剤はNG!?
柔軟剤って、「タオル」に香り付けさせたり、ふわふわにさせたりするものでしょ?と思っている方は必見です。
実は、柔軟剤は衣類にとって、摩耗や静電気などから守ってくれる味方なのですが、タオルにとっては、柔軟剤は天敵なんです。
柔軟剤とは
陽イオン界面活性剤の働き(衣類・繊維の場合)
まず、柔軟剤とは、どういうものなのでしょうか?
市販されている家庭用の柔軟剤には、主に陽イオン界面活性剤が入っています。
これは、【親油性の高い性質】で、マッチ棒のようなイメージの構造になっています。水の中では、衣類やタオルは、マイナスの電荷を帯びています。すると陽イオン界面活性剤は、マイナスの電気に引き寄せられ、図のように繊維に吸着します。すると、油になじみやすい親油基が、外側に向いて並ぶようになります。つまり繊維のまわりに、極薄い油膜が覆うような形になります。
※洗剤にも界面活性剤が入っていますが、違う種類です。
柔軟剤は、衣類を守る!
柔軟剤の役割
繊維に極薄い油膜!?
どうして!?となるかと思います。繊維に薄い油膜があることにより、滑りが良くなり、繊維と繊維の摩擦抵抗を弱め、柔らかい肌触りとなります。また同時に静電気の防止にもなります。
※界面活性剤に香り成分を含めると、繊維表面から香るようになります。
買ったばかりの衣類はなめらかでしなやかな肌触りです。しかし、着用と洗濯、乾燥を繰り返しているうちに、繊維も細くなったり毛羽立ったりなど、硬くごわごわになってくるのは避けられません。
それを少しでも衣類守るための、家庭用の柔軟剤です。
タオルにとって柔軟剤は、天敵。
ふかふかタオル
柔軟剤ってすごいですね!
って思ってくれましたか!。。。ん?でも最初に、タオルには柔軟剤は天敵って書いてありましたよね?
どういうことなのでしょうか。
柔軟剤の主な成分の「陽イオン界面活性剤」の図をもう一度見てみましょう。
今度は、繊維としてではなく、「タオル繊維」と思って考えてください。
タオルと衣類は、分けて洗濯。
陽イオン界面活性剤の働き(タオル繊維の場合)
図のようにタオル繊維のまわりに、親油基が外側に並ぶと、タオル繊維に薄い油膜がつきます。
油膜ということは、疎水性、つまり水を弾いてしまいます。そうです、タオルに備わっている吸水性をダウンさせているのです。また柔軟剤の油膜が張ると、洗濯をしても汚れや洗剤が綺麗に落ちず、生乾き・臭い・劣化の原因につながります。
でも、どうしても何回も洗っていくうちにゴワゴワになったり、硬くなってしまいます。そう感じるようになった時に、少量の柔軟剤を入れるぐらいがいいでしょう。もしくは、少し手間がかかりますが、【タオルをふわふわにさせる洗濯方法】もご紹介しておりますので、是非ご覧くださいませ。
まとめ(タオルと柔軟剤について)。
1-柔軟剤は、衣類を摩耗から守ってくれる。
2-柔軟剤は、タオルに使用すると機能性が落ちる。
3-洗濯は、衣類とタオルを別けて洗うと良い。